リバーズ・エッジ 愛蔵版 価格: 1,680円 レビュー評価:4.0 レビュー数:5 岡崎京子の「リバーズ・エッジ」はとてつもない傑作であった。随分前に書かれているので、今頃読むのは私の不勉強のせいであるのだが、岡崎京子の感性が天才的レベルにあることがよく理解できた。東京の下町の閉塞感、行き詰まりを鋭く残酷に、そして詩情溢れて描いている。漫画というメディアの凄さを思い知る。登場人物はほとんど救われない。最も脳天気な女の子が狂気に走り、主人公の家を放火して自らも命を絶つところなどは、鳥肌立つものがあるが、そういうことってあるよね、と思わせる説得力に溢れている。主人公の若草ハルナが最もまともであり、読者をこの狂気溢れる東京のティーンライフに安心感を持たせて入り込ませるナビゲーター |
リバーズ・エッジ (Wonderland comics) 価格: 950円 レビュー評価:5.0 レビュー数:26 傑作ぞろいと言われる岡崎京子作品のなかでも、誰もが「代表作」と言い切る作品。90年代はじめの「都会」に生きる高校生たちの姿を描く。 河口にほど近く、広く、ゆっくりと澱む河。セイタカアワダチソウが茂るその河原で、いじめられっこの山田は、腐りゆく死体を発見する。「自分が生きてるのか死んでるのかいつもわからないでいるけど/この死体をみると勇気が出るんだ」。過食しては吐く行為を繰り返すモデルのこずえもまた、この死体を愛していた。ふたりは、いつも率直で、「かわいい」ハルナにだけは心を許している。山田を執拗にいじめ抜くハルナの恋人、一方通行の好意を山田に寄せる少女、父親のわからない子ど |
リバーズ・エッジ 価格: 1,020円 レビュー評価:5.0 レビュー数:3 この作品は、私にとって、とてもリアルです。リアルっても、ここに登場しているようなひとが周りにいたとか、そういうんでなく、お話に線が多いところがです。 線というのは、画の書き込みのことではない(この点では岡崎京子の線は少ないとおもう)。そうでなくて、話のとっかかりとなる切り口みたいな感じ。折り紙にカッターで線を引いたとき少し紙を歪めると、切り口があく。アレだ。 主人公のハルナとゆかいな仲間たちには、表面の平坦なガッコー生活と深い戦場のような私生活とがある。深いとこの私生活が表面にでないよう、各々が懸命にしてる。みんな表面のガッコー生活が大事だと知っているから。でも、だんだん表 |